Aoiro*Stone
自己満足な創作物ログサイト。 今のところ、過去に配信したメルマガのバックナンバーのみ。ログの更新は気まぐれ不定期。
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Aoiro*Stone/連載~4
2012年03月15日 10時39分 発行
2012年03月15日 10時39分 発行
【結び目4*シリウス*連載】
物色するように、大廊下の壁に寄りかかり、通り過ぎる生徒を眺めてみる。
主に狙いは他寮の女だ。
自分からは声はかけない。
俺が動かぬとも、寄ってくる女が多い事はもう知っているから。
「あらシリウス、暇そうね」
「よう、アルアシア」
同学年のレイブンクローの生徒。
何回か遊んだ事がある――その内数回は寝たな。
頭の悪い女では無いから、嫌いじゃないタイプだ。
よし、今日はこいつにしよう。
瞬時に判断し、わざとそれっぽく表情を変えてみせた。
「暇なんだ。退屈してるとこ」
「じゃあ、久し振りに私と遊ぶ?」
「…そうだな。付き合ってくれるか?」
「勿論よ」
隣に並ぶと、彼女はするりと腕を絡めてきた。
俺もそうだが、彼女もこういう事に慣れている。
わざとそういう女を選ぶのが、一番いい。
さて、どの教室が空いているか。
そんな事を頭に巡らせ、彼女が話す言葉に適当に相槌を打った。
…**…
普段使われていない冷たい教室の扉が完全に閉められたのを見送ってから、口を開く。
「――ま、こんなもんだろ」
アルアシアが出て行った後、床に敷いていたローブを手に取る。
羽織ろうとして、そこでまだシャツのボタンが外れたままな事に気付いた。
億劫と感じ、そのまま椅子にもたれかかった。
「……」
何だか、違和感を感じる。
物足りないというより――“満たない”
身体が。
いつもの行為を繰り返しただけというのに。
満足感が得られず、結局相手が悪いのだと思い、早々に手を止めたわけだが。
はたして本当にそうなのか。
まるで――自分の身体では無いようだった。
(身体と意識がまだ合ってないのかもな。明日また別の女で試すか)
ため息を付き、ローブに袖を通す。
すると、先程の彼女がつけていた香水の匂いがし、顔をしかめた。
匂いを移されるのは嫌いだ。
ああ、けれど、今朝のは――
そして、ぽつりと呟く。
「…消えたな」
一瞬浮かびそうになった何かに、理解できない感情が出たのを俺は知らないふりをした。
…* 雑記 *…
すぐに浮かんだアルアシアって名前、結構気に入ってます(笑)
連載は2桁いかないつもりでいこうと思ったけれど、完全超えますね…。
Aoiro*Stone/連載~5
2012年03月15日 12時01分 発行
2012年03月15日 12時01分 発行
【結び目5*シリウス*連載】
最初の一週間は、シリウスとジェームズが一緒に色々な場所へ見に行っているのをよく見かけた。
それから、やる事があまり無くなったのだろう、私達の目に付かないような場所でシリウスが女の子を連れて歩いている姿を目にするようになった。
どうやら、一部女の子の間では久し振りに女遊びを再開したシリウスが記憶を無くしているという事がひっそりと広まったらしく、我は我と声をかけているらしい。
――悲しさに、涙が止まらなかった。
私とは毎朝挨拶を交わしてくれる、それだけの仲でしかない。
もう二度と見たくなかった光景が、また繰り返されている。
(…約束、したのに)
そんな言葉が出てきて、慌てて否定した。
違う、シリウスはそのつもりじゃない――今の彼は一年前のシリウスだ。
必死に思い込もうとした、別の人だと。
しかし、それでも。
好きな人が他の女の子の肩を抱き、空き教室に入っていくのを、また繰り返し見る事になった事実は変わらなくて。
シリウスは今も昔も同じシリウスのはずなのに、その存在を否定しようとしている自分がますます醜い人間になっていくのも悲しかった。
「…ふ…、っ…」
「姫…」
リーマスがぼろぼろと泣き崩れる私を抱き寄せる。
私とシリウスの事を知っているのはリーマスとジェームズだけだ。
だから、頼れるのも言葉を吐けるのも彼等しかいない。
ぽんぽん、と頭を撫でてくれる。
リーマス達は今のシリウスについてあまり話そうとはしなかった。
きっとシリウスがやろうとしている意図を知っているからなのだろう。
どうして、私には何も言ってくれなかったのか。
気が付くと、シリウスを責めそうになる自分が嫌で仕方がなかった。
…**…
最近よく見かけるのは、リーマスと姫が一緒にいるところだ。
気が付けば、2人で話しているのが目に入った。
元々リーマスと姫が仲がよかったのは知っているから特別違和感は無いけれど、なんとなく驚いた。
リーマスが俺達以外と女と長時間いるなんて、珍しい。
「リーマスって、姫と付き合ってるのか?」
「ん~、さあね」
ジェームズがもったいぶったように答える。
肯定も否定もしない。
という事は、肯定だろ。
「そっか、やっと幸せになったんだな」
明るくそう言えば、ジェームズは意外にも眉を寄せた。
俺もつられて固まってしまう。
「ジェームズ?」
「…いや、何でもない」
何か言いたげに口を開きかけたが、結局何も言わなかった。
そんな事が、ここ数日たびたびあった。
どうしてか、と聞く事もできたけれど、なんだかそれは、一年後の自分自身がジェームズ達に口止めしている気がして、しょうがないと諦めた。
ジェームズ達も俺の扱いに少し戸惑っているのが分かるけれど、俺も一年離れてしまった友人達に困惑してないと言えば嘘になる。
「トイレ行ってくる」と言って、部屋を出た。
マイナス思考は性に合わない。
「シリウス…これは本当に一か八かの賭けだよ…」
ジェームズが俺が出て行った後、何かを呟いたのを俺は聞く事ができなかった。
「まったく君は…たまに僕よりもすごい事、しちゃうんだから」
…* 雑記 *…
切なさをうまく表現できない…。
ジェームズとリーマスはもどかしさと苛立ちを抱えてます。
Aoiro*Stone/連載~6
2012年03月22日 10時18分 発行
2012年03月22日 10時18分 発行
【結び目6*シリウス*連載】
今日は休日――なのに、朝見かけたきり、ジェームズとリーマスはいるのに、彼はいなかった。
シリウスは、また誰かと一緒にいるのだろうか。
そう考えてしまうと、どうしようもなくて。
一人になりたくて、人目を避けて廊下を歩く。
私はこんなにも弱い人間だったんだろうか。
涙が溢れてくる。
気が付けば、シリウスとの思い出の場所に来てしまっていた。
(この廊下の先で、よく新しい魔法を見せてくれてた…)
『姫、次はどんな魔法が見たい?』
『んー、綺麗なのがいい。見てて楽しくなる魔法!』
『相変わらずそういうの好きだよな。よし分かった。探して取得してやる。そしたら、ちゃんと見てくれよ?』
『うん! でも、危険なのはやめてね?』
『はは、OK!』
また水滴が頬を流れた。
誰も見ていない。
なら、シリウスを見つける度、我慢した涙は今零しておこう。
水で視界が揺れる。
何も見えなくていい、もう何も見たくはない。
「……シリウス…」
消え入りそうな声で呼んだ名前は、静かな廊下で虚しく消えていく。
不意に目の前の空き教室がガラっと開いた。
「!」
驚いて足を止めると、出てきたのは今一番会いたくなかったシリウス。
目に止まったのは彼の格好で――シャツは半分ボタンが開けられ、ローブとネクタイは手に持っている。
まさか、と思ったら、遅れて同じように着崩した女の子も出てきた。
「――」
眩暈が、しそうだった。
私に気付いたシリウスが声を出す前に、流れていた涙を慌てて隠し、後ろを向く。
「…姫?」
邪魔になったのかすぐさま女の子を追いやってから、シリウスが肩に手をかける。
久々に触れた手にびくっと反応してしまった。
――他の子に触れた手で触らないで!
口から出そうになったその言葉をぐっと我慢する。
「どうした? 何で泣いて…リーマスと喧嘩でもしたか?」
「…ちがう、いいから…放っておいて、」
振り向かせようと引き寄せられたシリウスから知らない人の匂いがした。
一緒にいたくない…!
頭で考えるより先に腕を解いて、逃げ出した。
もう駄目だ、これ以上堪えられない、でもまだ――…シリウスが好きだ。
この気持ちだけは、どうやったって消えない。
…消す事はできない。
…* 雑記 *…
ちょっと文が気に食わなくて放置してから読んでみたら、まあいいかって思った。
もしかしたら10話くらいで終わるかも。
早く書き終わしたい…。
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九獣へび
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