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Aoiro*Stone

自己満足な創作物ログサイト。 今のところ、過去に配信したメルマガのバックナンバーのみ。ログの更新は気まぐれ不定期。

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Aoiro*Stone/連載~1
2012年03月13日 18時27分 発行


【結び目1*シリウス*連載】




夕方の談話室は授業が終わった寮生達が集まり、雑談したり課題に手をつけたりとわりと騒がしい。
自分もまた例外ではなく、友達と明日までの提出の課題を終わらせる事に必死だった。


「――っ!」


その時、突然ぼんっと音が響いたかと思うと、ガタンと人が倒れた音も続いて背後からした。
皆がざわつき、私も驚いて振り向けば、先程から談話室でこそこそ何かをやっていた4人組。
ジェームズ・シリウス・リーマス・ピーター達が原因らしい。

倒れたのはシリウスで、私が椅子から慌てて立ち上がる時には、自身で起き上がろうとしていた。


「い、てえ…」
「大丈夫かい?」
「失敗、かな」


リーマスが呟く。
観察するようにただ眺めている2人に対し、ピーターがシリウスに手を貸した。


「げっ、お前、急に太ったな!」


ピーターを見て、シリウスが叫ぶ。
どういう状況なのか私も含め、周りの生徒達も理解できていない。


「よし、成功だ」
「…僕、そんなに太った?」
「シリウスは目と記憶力がいいからね。気にしなくていいと思うよ」


と、本人達は周囲の目も気にせず、さくさく話を進めていく。

シリウスの様子がおかしいのだけは分かったが、気さくなようでこの人達はたまに誰も寄せ付けないオーラを持っている。
自分達で考え、自分達だけで動く時は、他人が話しかけるのも許さないような、彼等だけの世界みたいなものを感じた。
よくは分からないけども、特に大変な事は起きていないだろうと察して、周りは追求せずに「いつもの事だ」と言うように、ジェームズ達から視線を外し始めた。

しかし私は心配だったので、こそっとリーマスを捕まえに試みた。


「リーマス、ちょっと…」
「姫?」
「何、どういう事…?」
「ぁあ、君には説明しておかないとね。――今のは、シリウスが自分で1ヶ月間、一年前の記憶に戻る魔法をかけたんだ。本当は学生が使っちゃいけない魔法…なんだけど、やりたい事があったみたいで」
「え……授業とか、どうするの…?」


初めて聞くような魔法に、うまく思考が追いつかないけれど、つまり今は一年前のシリウス、という事なのか。
私の心配をよそに、リーマスはなんでもない事のように笑った。


「僕達がフォローするし、大抵のは暇な時に勉強してあるから。…まさか本当に成功させるとは思ってなかったから、さすがシリウスだよね」


きっとこれ以上に危険な事をし慣れているからなのだろう。
でも、彼等が笑っているのならば、少し安堵した。


「…大丈夫なんだよね、安全なんだよね?」「大丈夫、ちゃんと調べてるから」


リーマスはしっかりと頷いてくれた。
その事にほっとし、改めてジェームズと話しているシリウスに視線を向ける。




…* 雑記 *…

前からやってみたかった短文連載!
あらすじ程度には最後まで書いてあるので、後はそれに文字を付け足していくだけです。












Aoiro*Stone/連載~2
2012年03月14日 09時15分 発行


【結び目2*シリウス*連載】




「とりあえずこれ、見て」
「あ?」


自分がどうして談話室にいるのかに気付いた俺が疑問符を付け始めた瞬間、ジェームズは机の紙を指す。
大人しくそれを読むと、今沸き上がっていた謎が解けた。

それは、明らかに自分の筆跡。
自分が自分へと、今の状況を説明する文が簡単に書かれていた。


魔法で記憶だけ一年前に戻っていて。
1ヶ月後にはその魔法は解け。
これをやった目的は、秘密である事。


机に広げられた数々の本とたくさん調べたのだろう、自身でまとめたらしい羊皮紙も軽く読み、納得した。


「OK?」
「ああ。――俺、無茶な事するよな」
「全くだよ親友」


2人でニヤっと笑い合う。
少し混乱はするけれども、なんとかなるだろう。
だんだん楽しくなってくるのは、やはり俺がやった事に間違いはない。


「ところで、お前はこの一年でリリーを手に入れたのか?」
「…あともう少しって事さ」
「なんだ! まだかよっ」


嫌々ながらジェームズが言うもんだから、俺は吹き出すように笑ってしまう。
まだなのか、そりゃあそうだろうな。
笑う俺の後頭部に、ジェームズから拳のプレゼント。


「特定の人と付き合わなかった君に言われたくないね!」
「何、俺まだ遊んでるわけ?」


そうだよ、なんて返ってくると思ったが、意外にもジェームズは一瞬黙り、そして悪戯げにかわした。


「さあ…どうでしょう?」
「なるほど、自分で見つけろって事か?」


意味深なジェームズの言い方に何となく勘づく俺。
ジェームズが詳しく言わないという事は、俺自身に口止めされているのかもしれない。

しかし、想像がつかない。
女と遊ぶのは好きだけど本気にはなれないし、まして1人を選ぶなんて今の俺には無理だ。
にわかに信じがたいが、それが事実かどうかは自分で確かめるって事か。


「面白いゲームだな」
「うーん、まあゲームとも、言うのかな」
「1ヶ月、俺の好きなようにしていいんだよな? よし、まずはジェームズ、新しい抜け道とか教えろよ」
「そうくると思った。OK、行こうか!」





…* 雑記 *…

ヒロイン視点、シリウス視点、で書いていきます。
何年生、とかはあえて決めてません。5~7年生くらい。
女遊びの激しいシリウスです。






Aoiro*Stone/連載~3
2012年03月14日 10時34分 発行


【結び目3*シリウス*連載】




一番先に気付かなければいけなかった事をやっと思い出したのは、翌日、1年前に記憶だけ戻ったシリウスから挨拶を返された時だった。


「おはよう、シリウス」
「ああ、おはよう、姫」


昨日は早々にジェームズと2人で出て行ったため全く話しかける暇が無かったので少し緊張して初めて話しかけた私に対し、シリウスはあっさり答え、するりと通り過ぎていった。

いつもは、挨拶の後に少しだけ話をする。
よく眠れたか、今日の授業は何か、寝癖がついてる…そして、話しながら皆で一緒に朝食を取りに行くのだ。


その瞬間、気付いた。
そこまでシリウスと仲良くなったのは、半年前だ――。


「…、…」


何とも言えない空虚感が、全身を一瞬で冷たくさせた気がした。
だから昨日、リーマスが時折心配そうな顔を私に見せていたのか。


(シリウスが混乱するだろうから、わざわざ言わない方が、いいよね…)


そう考え、一度来た道を戻り始めた。
どうしてだか、食欲が無くなってしまった。

寮に戻り、授業の準備をして、それから――と無理矢理今日のスケジュールを考える。


その時私は予感していた。
一年前であろうと、シリウスはシリウスだ、と思って昨日は眠りについた自分を後悔する。

一年前のシリウス。
その時の彼を見ていた自分の記憶は、確かにまだある。
それは決して、楽しいものでは無かった事を私はようやく思い出した。




…* 雑記 *…

書くのが楽しいです。
ありふれた展開ですね。

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