Aoiro*Stone
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Aoiro*Stone/シリウス
2012年06月01日 11時59分 発行
2012年06月01日 11時59分 発行
【シリウス*SS】
「卒業したら、リリーは結婚するんだよね」
「? そうよ」
「いいなあ…」
進路の紙を見つめながら、何度目か分からないため息を吐く。
ずっと握っているせいで、紙は皺が寄っていた。
記入すべき欄は、何度も書き直した跡――就職する事が強制ではないし、リリーのように結婚する人、例えば旅に出る人もそのまま書いているので、目的がしっかりしていれば自由ではある。
しかし真面目な性格なためか、ついつい深く考えてしまう。
「どうかした?」
「…なんか、私やりたい事いっぱいあってね。1つに絞れないっていうか…先生に色々勧められてはいるんだけど」
興味がある事が多すぎる。
できれば色んな事がしてみたいという欲もある。
だから、迷うのだ。
「姫ならどこでもいけそうな気がするわ。成績もいいしね。でもそれと私の結婚、どういう繋がりかしら?」
意外に鋭いリリーの言葉。
「んー…と、結婚しちゃえば、こういう事で悩まなくてもいいのになぁっとちょっと思っただけ、」
「じゃあ結婚するか?」
ひょいっと突然顔を出したのはシリウス。
何て事が無いように、気軽に口にしたそれに、リリーが睨んだ。
「シリウス、あなたそんな軽いプロポーズは無いわ」
「いいよ、…初めてじゃないから」
「あら、そうなの?」
「俺は何度も真面目に言ってるんだぜ。本気でな」
「ならせっかくだし、結婚したら?」
おそらく自分のために言っているのだろう、リリーも結婚を押してくる。
シリウスはそのまま私の隣の席に付き、話にはまり始めた。
その時自然に手を握られる。
彼の言葉で赤くなった頬をなんとか隠し、声をひそめて言う。
「そういうノリで結婚したくない、って言ったよね…?」
「同棲はするつもりだし、結婚しても変わらないと思うけど俺。しかもお前、断る時、もーちょっと可愛い事言ってたじゃん」
ニヤニヤしながらシリウスが意味あり気に返す。
2人きりなら平気だが、リリーがいる前でそういう話はしたくない。
恥ずかしさがあるし、プロポーズされる時はいつも一緒に寝ている時だ。
そんな時の話を言えるわけが無い。
「睨むなよ。分かった分かった。俺はいくらでも待つって言っただろ?」
「…私はちゃんと仕事して、自立したいの」
「就職する事に反対はしてねえよ。お前が俺のとこに永久就職したいってならそれでもいいけど」
「シリウス、姫の仕事も考えて、下手に子供作っちゃ駄目よ?」
「リ、リリー、」
「了解。任せろ」
「……」
2人の先の会話についていけない。
しかしそれでも、プロポーズされた事は嫌ではない。
口調はふざけているように見えるが、真剣に言っているのはちゃんと伝わっているし、私も考えている。
ただ、すぐ目の前にある幸せに手を伸ばすのが今は怖い。
「姫のやりたい事やればいい。俺はそれに付き合うぜ。ずっとな」
その言葉に、不思議と安心感が生まれた。
嬉しさに顔が緩みそうになるのを抑え、私はようやく紙に書き込んだ。
彼が傍にいるなら、不安は無い。
どんな事があっても、大丈夫な気がした。
…* 雑記 *…
昔中途半端に書いた物にかなり手を加えました。
こういうシリウス大好きです。
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プロフィール
HN:
九獣へび
性別:
女性

