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Aoiro*Stone

自己満足な創作物ログサイト。 今のところ、過去に配信したメルマガのバックナンバーのみ。ログの更新は気まぐれ不定期。

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Aoiro*Stone/リドル
2012年12月31日 09時56分 発行


【記憶リドル*SS】




広いキッチンで音がするのは、ボウルを混ぜるカチャカチャというものだけ。
甘い匂いがうっすら香る空間。
そこに、足音も影も無い存在がふ…と現れる。


「…何をやっているの?」


急に背後で訝しげな声がした。
声の主は分かっているので、驚く事もなく「ケーキだよ」と答えてから、ようやく手が離せるようになり振り向いた。
腕を組んでこちらを覗き込んでいる半透明のリドルが、それは言われなくとも分かるという表情で隣に並んだ。


「クリスマスは終わったよ」
「クリスマス用じゃないよ~」
「…じゃあ何?」
「後で分かるよ。もう少しでできるから」


リドルがよくやる、にっこりと笑えば、一瞬だけ沈黙したかと思うと。


「…ふーん」


それだけを言って、大人しく姫が調理しているのを眺め始めた。
気になるなら、分からないなら、とことん追及してくるリドル。
こちらが言いたくなくても、強制的に言わされてしまうが、それが無いという事は。

どうやら、賢い彼にはそれだけでこのケーキの意図が分かったらしい。
姫も隠すつもりでは無かったので気にしない。
否、四六時中傍にいる彼に隠し事などできるわけが無いけれど。


「意外と上手だね」
「あまり作った事は無いんだけど、…魔法薬学のおかげかな」
「同じにしちゃうわけか」
「あっちの方が混ぜる回数とか決まったりして大変だよね」
「僕は好きだけど」
「私も好きだよ」
「知ってる」
「私も」


2人で笑って、作業は最終段階、苺を乗せるだけになった。
綺麗にそれを並べてから、2人分だけ切り分ける。
お皿に移し、キッチンの隣部屋のテーブルに置いた。


「食べよう」


姫が言った瞬間、実体になったリドルが椅子に腰かける。
向かい側に自分も座り、目の前の紅い瞳を見つめた。
手を出せば、握ってくれる。


「リドル、生まれてきてくれてありがとう」


今日は彼の誕生日だった。
リドルにとっては、感謝できる日ではないかもしれないけれど、どうしても祝いたかった。

自分が生まれた日を忘れないように。
自分が生まれた事を憎まないように。


「――今はこんな存在の身体だけどね」
「身体が無くても心臓が動いてなくても、喋れて一緒にいてくれてるだけで、嬉しい」
「それはどうも」


先にケーキに口をつけたリドルは、ゆっくりと飲み込んで微笑んだ。


「おいしいよ」






“Happy Birthday!”




…* 雑記 *…

久々のSSだから、イマイチ文章の書き方が分かりません。
元から分かってないけれど、ますます不明です。

では、今年は購読いただきありがとうございました!
来年もよろしくお願いします。

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